2012年11月5日月曜日

「南極カフェ」のイラストができました!

こんにちは、山田です。
東京はこの1ヶ月で急に寒くなり、そろそろ冬支度をし始めようかという気温になってきましたね。僕は昨日、ついに今シーズン初の発熱をしてしまいました。みなさまも風邪にはくれぐれもお気をつけください。
さて、サイエンスアゴラでの「南極カフェ」の開催がいよいよ今週土曜に迫ってまいりました!そして南極カフェのイラストも完成しました!



冬が来る前に、お台場で一足先に白銀の世界を感じてみるのも一興ではないでしょうか?


2012年10月27日土曜日

南極トリビア☆

こんにちは、ユニアスの山田です!
お待たせしました、南極トリビア10題を出題します!
参加を希望する方は、ぜひ予習して「南極(ちょっとだけ)博士」になって地球惑星科学カフェにお越しください☆

まずは問題!


---------------------------------------------------
Q1. 南極は全て雪や氷で覆われている。

Q2. 南極の氷床は、地球の淡水の量の60%以上を占めている。

Q3. 南極にはかつて恐竜が暮らしていた。

Q4. 地球を磁石とした時、N極は南極点にある。

Q5. かつて南極と北極の磁場が入れ替わり、北極がN極、南極がS極になったことがある。

Q6. 南極では多くの隕石が発見されている。

Q7. 南極には花を咲かせる植物はいない。

Q8. 南極には火山がある。

Q9. 南極の氷の中には過去の空気が閉じ込められている。

Q10. 南極の山地の地形から、過去の氷床量の変化を知ることが出来る。
---------------------------------------------------
いかがでしょうか?分かった問題も分からなかった問題も、答え合わせしてみましょう!

---------------------------------------------------
A1. ×:南極はほぼ全て雪や氷で覆われていますが、一部は岩肌が露出しいています。また、調査目的によっては、岩肌が見える山に徒歩で登ることもあります。

A2. ◯:南極大陸の98%は氷床におおわれています。また、南極の氷床は厚く、場所によっては数千メートルにもなります。

A3. ◯:南極大陸にある中生代の地層から、恐竜の化石が発見されています。

A4. ×:N極(地磁気南極)は南極点から離れた場所にあります。

A5. ◯:地質学的な記録から、平均すると数十万年に1度の頻度で地磁気が逆転していたことがわかっています。

A6. ◯:地表の多くが白色の氷で覆われているため、他の土地よりも容易に隕石が発見されます。

A7. ×:南極には、ナンキョクミドリナデシコとナンキョクコメススキの2種類だけですが、花を咲かせる植物がいます。

A8. ◯:南極周辺の島や南極本土には火山があります。南極本土の活火山で最も標高が高いのはベルリン山で、3500mあります。

A9. ◯:南極の氷は降り積もった雪が圧縮されてできたものです。深いところの氷ほど古い時代にできたもので、中には気泡が閉じ込められています。日本のチームが掘削した氷は最古で72万年前のものです。

A10. ◯:山地の地形には氷河が流れた痕跡が残されていることがあります。つまり、現在は岩肌が露出していても、過去にそこまで氷床が発達していたことがそれによって分かります。
---------------------------------------------------

どれくらい当たっていたでしょうか?
さて、地球惑星科学カフェでは、ただゲストの菅沼さんのレクチャーを聞いていただくだけでなく、南極にまつわるテーマに沿って参加者のみなさまに議論していただきます。
議論のテーマはこちら。

---------------------------------------------------
Q1. 南極での研究調査・観測活動は年間約50億円もの予算が日本の税金から使われいますが、南極はどこの国の領地でもないため、その調査結果を現地開発につなげることは出来ません。南極の調査・観測について、あなたはどのようにしてその成果が社会へ還元されれば、50億円の予算をかける価値のあるものになると思いますか?研究成果の発表以外にも、何か方法があるでしょか?

Q2. 南極の氷床の成長・衰退や氷の中の成分から、過去の地球の気候変動を推測することができます。しかし、気候変動は非常に長い周期の変動で、数十年かけて変化することもあります。あなたにとって過去から現在の気候変動を知ること、未来の気候変動がどのようになるか予測することは、生活の中でどのように役に立ちますか?
---------------------------------------------------

ちょっと難しいですが、ぜひ考えてみてください。
興味のある方はぜひ地球惑星科学カフェへお越しください!
※お申し込みは一つ前の投稿をごらんください。



2012年10月26日金曜日

地球惑星科学バーVol. 8 「地球惑星科学cafe ~南極カフェ~」を開催します!


地球惑星科学バー vol.8 のお知らせです!
 今回は、東京・お台場にある日本科学未来館で開催される「サイエンスアゴラ」というイベントに合わせての開催となります。


 テーマは、「南極」。岩石の中に残された昔の地球磁場の痕跡である「古地磁気」などを用いて過去の地球環境を研究している菅沼悠介さん(国立極地研究所助教)をゲストに迎え、過去の地球環境変動とそこから予測される将来の地球環境について、南極での調査・研究からどのようなことが解明されているのかお話していただきます。また、南極を調査・研究すること、過去の地球環境を研究することについて、菅沼さんを交えてみなさんと気軽にディスカッションをしていただきたいと思います。
 地球惑星科学の持つロマンとそれを支える論理の面白さや、私たちの身近にある現象や社会との関わりについて、ぜひ触れてみてください。

----------------------------------------------------------------------------------------
【開催日時】2012年11月10日(土)13:00-14:30(12:50開場)
【場所】日本科学未来館7階交流サロン(会場までのアクセスは日本科学未来館のホームページをご覧ください)
【講師】菅沼悠介さん(国立極地研究所助教)
【ファシリテーター】山田健太郎(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)
【対象】どなたでもOK!(内容は中学生〜高校生向けとなります)
【定員】先着22名(22名を超えた場合は立ち見でのご参加となります)
【料金】無料
【募集締め切り】11月9日(金)
【主催】Universal Earth
【申し込み方法】お申し込みは以下のフォームからお願い致します
申し込みはこちら
----------------------------------------------------------------------------------------

また、ユニアスのツイッター (@Universal_Earth)で明日から南極にまつわるトリビアを出題していきます。こちらもぜひチェックしておいてください!

それではお申し込みお待ちしております!
山田


「地層処分バー」開催レポート!

こんにちは、ユニアスの山田です!
すっかり秋も深まってきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

さて、9月30日に開催した地球惑星科学バーVOl. 7「地層処分バー」のレポートをここでお伝えしようと思います。なかなか繊細なテーマであり、放射性物質は昨今の世間では常に話題に上がってます。今回は原発から出る放射性廃棄物を地層の中に埋めて処分しようという「地層処分」について、地質学者はどのような仕事をしているのかという部分にフォーカスしました。


今回のゲストは、産業技術総合研究所の大坪誠さんです。専門は断層を調べる「構造地質学」です。
大坪さんの自己紹介から始まり、地層処分とはどういうものか、そして地層処分をする上で何を考えなくてはいけないのか、ということを語っていただきました。
地層処分は、地層中に放射性廃棄物を長時間保管し、放射性廃棄物の放射線が半減期に従って減少するのを待とうという処分方法です。ここで言う長時間とは人類の歴史にも匹敵するくらい長い時間であり、地質学的な時間スケールとなります。そのため、地質学的な時間スケールで、処分候補地が安全かどうかを評価しなくてはならないのです。
それにまつわる地質学の話、そして最後は将来予測の難しさについて「水曜日にシジミの味噌汁を食べ続けているので、来週の水曜日にもシジミの味噌汁を食べる可能性は高いが、絶対とは言えない。」という例えで説明をしていただきました。


大坪さんのレクチャーの後は、ディスカッションの時間です。果たして自分の家からどれくらいの距離であれば廃棄処分場の建設を許容できるのか、もしも放射性廃棄物が流出するなどの災害が起きた場合、地質学者はどれくらい責任を負うべきかなど、参加者の方たちが意見を出して大坪さんと活発な議論を繰り広げました。
また、いつものようにイベント終了後も有志が残り、台風の影響で天候がいよいよ荒れてくるまで2時間程語り合いました。

今回も非常に熱い議論が出来たと思います!
次回の地球惑星科学バーは、昨年と同じく「サイエンスアゴラ」というイベントに合わせ、お台場の日本科学未来館にて開催します!
詳しいイベント内容は、次の書き込みにて!



2012年9月13日木曜日

「地層処分バー ~地球惑星科学バー vol.7~」のポスターが完成しました!


地殻変動・地層処分はホットな話題であると同時に、難しい問題でもありますね。
ぜひ、ポスターとトリビアでイメージを膨らませてみてください!
 
 
そしてぜひ印刷して家族や友人に見せて、一緒にご来場下さい!
お申し込み(こちらから)お待ちしています☆
*一つ前のトピックにある申込フォームとリンクは同じです。

*トリビアの解説は9月9日のブログをご覧ください!

2012年9月10日月曜日

「地層処分バー ~地球惑星科学バー vol.7~」を開催!

 地球惑星科学バー vol.7 のお知らせです!
 今回は、地質学(主に構造地質学)がご専門の大坪誠さん(産業技術総合研究所)をゲストに迎え、人間生活時間を遥かに超える長い時間を要する地球の大地の動きや、放射性廃棄物の地層処分について考えてみるとともに、大坪さんを交えてみなさんと気軽にディスカッションをしていただきたいと思います。
 地球惑星科学の持つロマンとそれを支える論理の面白さや、私たちの身近にある現象や社会との関わりについて、ぜひ触れてみてください。

----------------------------------------------------------------------------------------
【開催日時】2012年9月30日(日)13:00-15:00(12:50開場)
【場所】アイリッシュパブ・クラン(clann) (東急東横線自由が丘駅南口から徒歩15秒)TEL: 03-3725-9116、住所:東京都 目黒区自由が丘1丁目8-18自由が丘ノーブル
【講師】大坪誠さん(産業技術総合研究所研究員)
【ファシリテーター】山田健太郎(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)
【対象】大学生・専門学校生以上
【定員】30名
【料金】1500円(参加費500円+別途2ドリンクオーダー1000円)
*メニューはコーヒーなどのソフトドリンクも充実しています!
【募集締め切り】9月29日(土)
【主催】Universal Earth
【申し込み方法】お申し込みは以下のフォームからお願い致します

 
お申込フォーム
 
----------------------------------------------------------------------------------------

2012年9月9日日曜日

地層処分バー:トリビア解説

Q1. 地層を調べることで、これまで起こってきた地殻変動による地層の変形度合いや、変形が起こった時代を知ることができる?
A1. ◯
地層には、地層が形成された当時の状況の記録が保存されていると同時に、形成後から現在にかけて起こった断層運動の記録や、地層の変形の累積量が保存されています。そこで、地層を詳しく調べることにより地殻変動が活発な地域とそうでない地域を区別することができます。それゆえ、地下に構造物を建設する場合は地層の調査が必要です。

Q2. 地殻変動はプレートの運動、活断層の運動、火山活動などによって起こるが、海水の重みによっても起こることがある?
A2. ◯
プレートとプレートがぶつかり合うプレート境界である日本では、海洋プレートの沈み込みに伴い通常時は陸のプレートが(プレートの上部である地殻も)沈降し、地震時に隆起が起こるといった地殻変動があります。また、活断層が動くことにより、地殻が上下または左右にずれることがあります。さらに、火山にマグマが供給されると地殻を押し上げることがあります。こうした現象は地震や噴火に関連したものとして、広く知られています。そして、海水の量によっても地殻は変動します。例えば南極の氷河が融解して海水量が増えると、その重みで海洋地殻が沈降し、氷の重みがなくなった南極の大陸地殻は隆起することが言われています。何らかの影響で海水準が高くなり、陸の低地に海水が大量に侵入すれば、その地域も海水の重みで沈降する可能性があります。

Q3. 放射性廃棄物の処分方法は、地層処分以外にもある?
A3. ◯
他にもロケットで宇宙へ放射性廃棄物を飛ばす宇宙処分、海底下に埋める海洋底処分、南極の氷床の下に埋める氷床処分、人間の手で行う長期管理が処分方法の候補として挙げられましたが、国際条約違反や現時点での技術力の不足により、地層処分が最適とされました。

Q4. 地層処分は、永久に定期的に管理をする必要がある?
A4. ×
地層処分の利点は、一定期間の管理後は人間の手による管理が必要ではなくなるということです。将来の世代には管理責任を負わせないたくないという考えからも、地層処分は支持されています。

Q5. 地層処分にかかる期間はおよそ100年以内である?
A5. ×
放射性物質には「半減期」があり、半減期の分の時間が経つと、放射線の量は半分になります。半減期は各放射性物質によって異なり、中には数万年もの時間がかかるものもあります。そのため、地層処分はそれに相当するだけの、とても長い時間スケールで方法を検討しなくてはいけません。

Q6. 地層処分の候補地は、地下深くの地下水の影響が少ない場所が選ばれる?
A6. ◯
地下水は水の流れによって放射性物質を人間生活環境まで運ぶ可能性や処分地および放射性廃棄物の入ったケースを浸食する(削る)可能性があります。そのため、地下水の影響がなるべく少ない場所が候補地として挙げられます。国の法律では地下300 mよりも深い場所に地層処分を行うことが定められています(参考:地下鉄などの地下利用はどんなに深くても地下50 mよりも浅い)。また、地下水の動きを詳細に調べることは難しいため、地下の割れ目の分布を調べたり、地下水の化学成分を分析したりして、どこから流れてきたのかを調べることで、地下水の流れを推定します。

Q7. 大地震の発生間隔は数十年以上と長く滅多に起こらないため、地層処分の際には考慮する必要はない?
A7. ×
地層処分は数万年にわたって行われる可能性があります。地層処分の候補地は、将来大地震によって地下に割れ目が生じないかどうか、大規模な地形変化が起こらないかどうか、などを考える必要があります。

Q8. 地下の調査は現在では衛星による観測が主流である?
A8. ×
候補地の選定には地下構造を調べたり、地下水の動きを調べたりする必要がありますが、それは現地調査や現地で採取してきた地下水試料や岩石試料の分析を行うことで明らかになります。多くの分野の専門家が力を合わせて候補地での調査を行います。

Q9. 地質調査によって過去の様々な変動が解明されても、将来の予測は難しい?
A9. ◯
過去の地殻変動の歴史が明らかになっても、将来も同じ現象がまったく同じ発生間隔で起こるとは限りません。しかし、地殻変動にはある一定のパターンがある可能性があり、過去の記録から将来の地殻変動をなるべく精度良く予測すべく、多くの地球科学者が研究を行っています。

Q10. 地層処分に最適な地層中に、放射性廃棄物を置ければ、それだけで安全であると言える?
A10. ×
地層処分は、周囲の地層の安定性だけでなく、放射性廃棄物を包むケースの安全性も確保されないと、地層処分開始時の全体的な安全性は確保されません。

2012年7月6日金曜日

フォースタルバー 〜 地球惑星科学バー Vol.6 〜 開催報告


こんにちは、ユニアスの佐藤です(^^)

いやぁ~、624日に開催された
フォースタルバー
めっちゃ楽しかったです!


ゲストの吉田英嗣さん(自然地理・地形 学者)のお話は非常に分かりやすく、かつ面白くて、スタッフの私も聞き入ってしまいました。
お酒を飲んだ勢いでど素人の私が質問しても、吉田さんは優しく丁寧に答えてくださいました♪


左がゲストの吉田さん、右がファシリテーターを務めたユニアスの千葉



さて、今回のフォースタルバーの内容はどんなだったか??
個人的に特に印象に残った点を2つ紹介したいと思います。



ひとつ目はこれ、
「富士山はいつか崩壊する」

これを聞いたときは、とにかくショックでした。
日本のシンボル「Mt. Fuji」も、いつかは無くなってしまうんですね... 涙

研究者の間では当たり前の共通認識となっているということにも、
さらに驚きでした。
人間(日本人)の時間軸では、「動かざること山の如し」と言うくらい、
不動のものとしてとらえられている山。
そんな山のなかには、長い時間をかけて、
「生まれては消え〜消えては生まれて〜」
を繰り返しているものもあるんですね。

ふぁ~、想像するだけでわくわくしますね



ふたつ目は、
「低頻度かつ大規模な自然現象をどうとらえるか」
というお話。

正直、これまで「山体崩壊」という言葉すら聞いたことがありませんでしたが、映像を見てその威力に度肝を抜かれました。
(山がゴッポリ崩れ落ちる現象です

生きている間には経験しないかもしれない。
でも起こったら被害は尋常じゃない。

そんな自然現象を前に、私たちはいったいどんな対策をしたら良いのか。
あまりにもスケールが大きすぎて思考停止に陥ってしまいます... orz


山が崩れて一気に流れ落ちてくる様子... 目を疑います(o_o;


そこで吉田さんが紹介してくださったのが、
「災害リスク=被害/発生確率」
としてとらえて、大規模自然災害を客観的に考えやすくする方法や、
インターネットでも公表されている「ハザードマップ」の存在です。
「これまでの研究の成果は防災のためにちゃんと活用されてきているんだ!」と思いを馳せながら、今度じっくりハザードマップを眺めてみようと思います^^



その後は、ユニアス恒例のディスカッションタイム♪
会場の参加者のみなさんを交え、
「自然災害に関する情報伝達のあり方」について
活発な議論をおこないました。





自由が丘のオシャンティーなバーでおいしいお酒と科学を味わう、
最高の昼下がりでした♪

お店の入り口にさりげなく飾られたフォースタルバーのチラシ




今回ゲストでいらっしゃった吉田さんに限らず、ユニアスのゲストは、
気さくで、話が面白くて、個性的で、人間味溢れる方々ばかりです!

次回のイベントは9月頃を予定しています☆
ご興味がある方はぜひ次回のイベントにいらしてくださいね~


2012年6月6日水曜日

フォースタルバー ~ 地球惑星科学バー Vol.6 ~



  地球惑星科学バー Vol.6 のお知らせです!
  6月ということで、これから雨が多くなると、土砂災害も増えることが予想されます。そこで今回の地球惑星科学バーは、山体崩壊や災害のメカニズムを地形や地層から解読する(自然地理・地形学)スペシャリストである吉田英嗣さん(明治大学・専任講師)をゲストに迎え、「地質災害・防災」といった観点で地球惑星科学に触れてみましょう。吉田さんを交えてみなさんに、グラスを片手に気軽にディスカッションをしていただきたいと思います。
 地球惑星科学のロマンや社会との関わり、そしてそれを支える論理の面白さにぜひ触れてみてください。

-----------------------------------------------------------------------

【イベント】サイエンスバー(研究者を交えて、お酒やコーヒーを片手にざっくばらんに語り合うイベントです)
【開催日時】2012624()13:00-15:0012:50開場)
【場所】アイリッシュパブ・クラン(clann) (東急東横線自由が丘駅南口から徒歩15秒)
 TEL: 03-3725-9116
 住所:東京都 目黒区自由が丘1丁目8-18自由が丘ノーブル
【講師】吉田英嗣さん(明治大学・専任講師)
【ファシリテーター】千葉崇(筑波大学生命環境系)
【対象】主に成人以上の方
【定員】30
【料金】参加費1500円( 2ドリンクが含まれます。コーヒーなどのソフトドリンクもあります。)
【募集締め切り】623()
【主催】Universal Earth
【申し込み方法】お申込は以下のフォームからお願い致します

お申込フォーム


2012年6月5日火曜日

フォースタルバー1問1答:質問の回答と解説

Q.1:雪崩は発生頻度が高く、同じ場所でも1年間で複数回起こる?

→A.○ 解説:雪崩は山の斜面に積もった雪が重力により高速で移動する現象です。急傾斜の斜面で発生しやすく、範囲はおよそ数百m~数kmです。同じ場所で起こるとすると、1年に複数回起こります。富士山でもよく観測されます。気温が低く、大量の新雪が急激に積もると発生しやすくなる表層雪崩(12月~2月頃に多い)、降雪や降雨の後、気温が上がった時に発生しやすくなる全層雪崩(3月~4月頃に多い)やスラッシュ雪崩など様々な種類があります。2012年2月1日に秋田県仙北市で起こった雪崩では3名の犠牲者が出ました。


Q.2:土石流は地すべりで動き出した土砂がゆっくり流れる現象である?

→A.× 解説:土石流は土砂が河川などの水と混ざり、流れることで発生します。範囲はおよそ数百m~数十kmに及びます。普段水の流れていない谷でも起こる可能性があり、同じ場所で起こるとした場合、1年に複数回起こる可能性があります。雨などで山体が崩れ河川に流入することで発生します。特に雨量の多い時期に発生しやすいとされます。2009年7月21日に山口県防府市で発生した土石流は大きな被害をもたらしました。


Q.3:地すべりは水とともに高速で土砂が流れる現象である?

→A.× 解説:土地の一部が地下水等に起因して滑り面を境に上部の土砂がすべる現象または、これに伴って移動する現象とされます。高速で移動するものから、ゆっくり滑るものもあります。被害はおよそ数十m~数kmに及びます。2012年3月7日に新潟・上越市で発生した地すべりで、数棟の住宅が倒壊しました。同じ場所で起こるとした場合、およそ数十~数百年に1回起こります。


Q.4:火砕流は噴火に伴いガスや火山灰が高速で斜面を流下する現象である?

→A.○ 解説:火砕流は、噴火に伴い火口から出た高温の溶岩やガス、火山灰などが混じり合い、高速で斜面を流れる現象です。範囲はおよそ数百m~数十kmに及びます。1991年長崎県の雲仙普賢岳での火砕流は多くの命を奪いました。しかし、爆発的な噴火を起こさない火山では、起こる可能性が少ないとされます。同じ場所で起こると仮定すると、大規模な火砕流の頻度を噴火の頻度と同じとした場合、およそ数十~数百年に1度の割合で起こります(噴火の頻度に依存します)。


Q.5:火山泥流は泥が流れるため、流下速度が遅く、走って逃げることができる?

→A.× 解説:火山噴火の際に噴出した火山灰などの細粒物が大量の水を含んで山の斜面や谷を高速で流れ下る現象です。高温である場合もあります。範囲はおよそ数km~数十kmに及びます。同じ場所で起こるとして、数十~数百年に1回起こります(噴火の頻度に依存します)。1926年5月24日、北海道十勝岳の噴火で山頂付近の雪が融解することで泥流が発生し、144人の犠牲者が出ました。


Q.6:噴火や地震によって山体が崩壊し流れる大規模な現象を「岩屑雪崩(がんせつなだれ)」という?

→A.○ 解説:火山体の不安定な部分が、例えば噴火や地震など何らかの原因で滑り出し、高速で山体斜面を流れ下る大規模な現象です。この現象が起こった場所としてはアメリカのセント・へレンズ山、北海道駒ヶ岳や福島県磐梯山が有名です。範囲はおよそ数km~数十kmに及びます。同じ場所で起こるとした場合、大規模なものは数千~数万年に1回起こります。


Q.7: 地質災害は、どこで起こりやすいのかを特定することが比較的簡単である?

→A.○ 解説:地質災害は起こりやすい地形及び地質がある程度わかっていますので、地形や地下の地質を把握すれば、どこで災害が発生しやすいのかを把握することは比較的容易だといえます。地形学や地質学がここで貢献しています。


Q.8:津波は海で起こる地震以外の原因でも起こることがある?

→A.○ 解説:大規模な山体崩壊により崩れた山体が海や湖に流入することで津波が発生することがあります。時代を遡ると、1640年に北海道の駒ヶ岳の山体が、岩屑雪崩により噴火湾へ雪崩れ込んだことで波高8mを超える津波が発生しました。


Q.9:地質災害は地層と古文書を調べることで発生履歴を完全に解明できる?

→A.× 解説:大規模なものは地層に保存されたり、被害が出れば古文書に記されることもありますが、小規模のものはほとんど残りません。ゆえに起こったこと全ての履歴を解明することは難しいといえます。


Q.10:災害が別の災害のリスクを高めたり、新たな災害の引き金となり得る?
→A.○ 解説:例えば海で起こる巨大地震により、日本の至る所で土地が圧縮力や引き伸ばされるような力がかけられた場合、内陸にある活断層が動きやすくなります。地震により地下で土砂も移動しやすくなる場合もあるため、土砂災害が起こりやすくなる可能性もあります。

2012年5月23日水曜日

ゲストの方の現在は?~その1~

 みなさんいかがお過ごしですか?ユニアスブログ久しぶりの更新です。

地球惑星科学バーにゲストとして参加していただいた方々は、現在どのような活動をされているのでしょうか?
 ということで、第1回目のレポートは、vol.3テクトニクスバーで古地震の話題を提供していただいた宍倉正展さんの現在を追ってみました!
 宍倉さんは目下、3.11に関する業務で大変忙しいそうです。ですが、その間を縫って、各方面へ東北地方太平洋沖地震や貞観地震、関東地震についての講演や解説を積極的になされています。
 2012年5月18日に津波堆積物ワークショップ(日本堆積学会 津波ワーキンググループ)が千葉大で開催されました。
 宍倉さんはそこで、パワーポイントや地層の剥ぎ取りを用いて、貞観地震及び、東北地方太平洋地震などの津波堆積物や地殻変動についての講演をされました。





館山の隆起地形                                                  隆起地形に残された旧海水準を示す生物化石



 5月19日にはその巡検があり、1923年大正関東地震で隆起した地形と、1703年元禄関東地震で隆起した地形が観察できる房総半島の海岸へ行きました。この隆起地形の年代を決定したのは宍倉さんです。こうした地形の隆起量から断層モデルが考案され、古地震象を復元します。地形に残された地震の痕跡はとても興味深いですね。

さらに、宍倉さん最近本も書かれています。2冊紹介します。
                     

・次の巨大地震はどこか!
・巨大地震をほり起こす 大地の警告を読みとくぼくたちの研究
 2冊とも、宍倉さんが実際に観察された地形や採取した地層などの試料を用いて、地震が残した痕跡を分かりやすく解説されています。古地震研究者が行っている研究方法についても親しみやすく書かれています。古地震学で実際に扱っている対象が見られる一般書は少ないですので、とても貴重だと思います。今年4月に出版された「巨大地震をほり起こす 大地の警告を読みとくぼくたちの研究」は、小学生向けにとても噛み砕いた内容で分かりやすくなっています。どちらも是非ご覧になってみてください! (千葉)